ありがたき あきらめる生活 その2

たまにしか着ない着物を畳む場合、当然たまにしか畳まないので要領が得ません。危機管理対策に似ています。普段しないことは、いざという時に出来るはずがない。

着物は着るのも畳むのも、折り紙に似ています。折り紙は一折一折、きちっと丁寧に折っていけば完成形も整うものですが、私の場合、褒められた出来ではありませんでした。

なので、きっともっと年を取って、デイサービスに行って折り紙をしても「ま、こんなものか」と思えるだろうと予想しています。

几帳面できれいな折り紙を折れた方は、ひょっとしたら辛いかもしれません。自分では上手に折れたと思っていない折り紙を、スタッフに「上手ね~」なんて褒められてしまったら、自分の中でどう折り合いをつけるのかしら? 折り合いと諦めと、何が違うのかしら? そういえば、諦めって仏教の言葉で「明らかになる」って意味らしい。持っているものが多いほど、失うものも多いというけれど、それはモノや人だけでなく、自分の中にもあるんだなぁ・・・と、うまく畳めない着物と格闘しながら思うのでありました。