新人さんのための「個人情報との付き合い方」 第1回

【第1回】日常感覚の「個人情報」と、法令が定義する「個人情報」は違う

 日常の中でいう「個人情報」とは、個人に関しての情報という意味で使うことが多いようです。個人情報だから言わないとか、個人情報なのにしゃべっていいの?など。個人情報保護法が定義する個人情報は、もっと狭義の意味になり、「生存」していて、「記述等」されていて、かつ「識別」できる情報をいいます。特に「記述等」されていることが大きなポイントで、文字や画像など紙や電子媒体という形あるものになっているものが個人情報となります。
 形あるもの、物理的に存在するものが個人情報なので、これにつく動詞は「取り扱う」となるわけです。取扱うという言葉は、あまり人には使いませんね。ただ、日本語の「扱う」には丁寧にというニュアンスも含まれるので、個人情報は丁寧に取り扱いましょう。
 物としての個人情報をどのように取り扱っていくべきかを規定したのが個人情報保護法です。一人ひとりの気持ちや生活に寄り添うのは対人サービスの領域で、一人ひとり違う対応が求められますが、個人情報は情報管理のマネジメントの領域であるために、これは組織が取り組む課題になります。ここをいっしょくたにしないようにしておきましょう。個人情報という言葉を使った時に、対人サービスと組織マネジメントとどちらの領域にある個人情報なのかを意識して行動できるようにしておきましょう。

※法令の定義などは大変厳密ですが、ここではザクっとイメージの把握ができるように記述しております。