『新しい日常』の中で

買い物ついでに駅前までジョギングをした時のこと。「東京アラート」発動下の都内にいることもあって、周りの方が不快にならないようスポーツタオルをマスク状に顔に巻いて走りました。
必要な買い物を終え、帰路に就く前にソーシャルディスタンスを確保して3密を避けながらストレッチをしていると、
「カチリ」
目の前を通り過ぎた人がお尻のポケットからスマホを出した時に一緒に何かを落としました。「何かな?」と近づいてみると、電車にも乗れる、買い物もできるICカード(PASMO定期券)でした。
落とした人はスマホの画面を見ながら、どんどん歩いて行ってしまいます。
拾って届けてあげないといけません。
手を伸ばそうとしたその時、ふと考えてしまいました。

「見ず知らずの私が触ったカードを受け取るのは、あの人は嫌なのではないだろうか?」

一瞬の逡巡の後にカードを拾い、「すみません、落としましたよ」と手渡しました。
幸いにも「よかった~、ありがとうございます」と言っていただきました。
以前ならためらわずにできていたことも、一度、考えることが必要な世の中になったんだなと感じたできごとでした。