人生の重さについて

時々、高齢者施設でお過ごしになっている方に、インタビューをするという仕事をします。

お伺いしたいのは、現在の生活についてのご感想なのですが、聞かせてもらうのは大抵、幼い頃のこと、戦争のこと、大陸からの引き揚げのこと、大事な人を見送ったことなど、人生のドラマそのものになります。
子どもを亡くした話などは、その喪失感の前に凍り付いてしまいそうになります。
今の境遇を受け入れられなくて、とても辛そうな方もいて、決して理屈や正論で気持ちは治まらないことを痛感します。
語りたい事はたくさんあるでしょうに、言葉を発することができないこともあります。発せられない言葉は、どうしたってわからなくて、わからないままわかっている振りをしているのも酷い仕打ちだと落ち込みます。

児童分野では未来の重さが、高齢分野では来し方の重さが充満しているようです。
そこで働いている方たちは、その重さに向き合い誠を尽くそうとしています。
深い敬愛とともに、ご一緒に誠を尽くしたいと願っております。