安全ピンと個人情報 ~すべては子どもの安全のために

保育園で、園児に安全ピン付きの名札を着けるかどうか議論になっていると聞きました。
安全ピンといいながら絶対安全ではないことは周知の事実なのが可笑しいですよね。故・向田邦子さんの随筆に「安全ピン」という作品があって、安全と言われるものが本当に安全なのか?というお話を、「安全ピン」と聞くたびに思い出します。(『霊長類ヒト科動物図鑑』収録)

安全ピン付きの名札を着用するかどうか、そもそもなぜ名札が必要なのか。
そういうことを、しっかりと考えて結論を出していただきたいと思います。
そこで安易に「個人情報だから」とか、他の園でそうしているからとか、適当な理由付けをして終わらせると、突っ込まれた時にしどろもどろになってしまうのです。

名札は個人情報だから着用を止めるのではありません。名前を知らせる必要のない人に知らせることの危険性を考えるから、止めようという対策が考えられるのです。
「個人情報だから」と安易に口にする人や事業所に対して、かえって個人情報に関する手続きや教育が疎かになっているのではないかと疑念を持ってしまいます。

どうぞ、保育園での取組みはすべては子どもの安全とその未来のために行われるのだというスタート点に戻って、ひとつひとつの課題に取り組んでいただきたいと切に願っています。