東京都の指導検査報告より

東京都が公表した平成29年度の指導検査報告書では、実地指導の文書指導では「秘密保持」が最多になった・・・とのレポートを読みました。

東京都福祉保健局指導監査部 → http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/09/05/08.html

細かくは、
・従業者が個人情報を用いる場合に、利用者及び利用者家族の同意を、あらかじめ文書により得ていない。
・従業員に対し、業務上知り得た利用者及び家族の情報を在職中及び退職後も漏らすことがないように、秘密保持の誓約書等を雇用時に取り決めるなどの必要な措置を講じていない。
といった指摘内容が多いようです。

29年度の実地検査実施方針として、「内容及び手続の説明並びに同意(個人情報の利用を含む。)が適切に行われているか」が挙げられているのが要因かと思われます。

実際にサービスの提供を受ける側は、とにかく今より良い方向へ進ませたい一心で、契約書や重要事項説明書や、個人情報の利用目的と同意書までじっくりと読んだり検討などする余裕はなかった。サインを求める方も、「あとでゆっくり読んでおいてくださいね」と伝えるのが精いっぱい。

一方で、身心とも弱って起きあがることも辛そうな人が、自分の名前を書くという行為を諦めない姿を幾度となく目にしてきました。それは省略してはいけない手順であることを教えてくれていたようにも思います。

指導検査でいう「適切」と実際の場面での乖離を埋めるものは、事業者側の周到な準備と誠意なのかなぁ?と思っていることころです。